Hip Joint コラム

股関節に関する有識者の方々が、様々な切り口で股関節をコラム形式で解説します。

  
第10回 Hip Joint コラム 2016.7.01

「「股関節」という言葉で思いついた、
つれづれなること」

冨森浩二 写真 画像
冨森 浩二
帝人ファーマ株式会社
特命プロジェクト担当部長

 股関節の研究・臨床の第一人者の先生方が執筆されている当コラムで、ほぼ素人である自分が何を書けばいいのか、悩みつつ、「股関節」で思いつくことをいくつか、つらつらとを書きたいと思います。
○股関節:英語では「Hip Joint」
 一般的な日本人には、「ヒップ=お尻」という印象が強すぎてこの英訳がピンとこない。そこを狙ってなのか、ある股関節の大先生のお得意のネタが、若い女の子とかに「僕の専門はヒップなんだよー」といって、一瞬、変なおじさんと勘違いさせてギョッとさせることらしい。すぐに種明かし(正しい訳)すると、その反動で尊敬されたりもするようです。
○母親は両側、人工股関節
 私の母親は幸い米寿を超えて存命中ですが、4年ほど前に坐骨神経痛が酷くなり、某病院で入院治療を受けました。その際、腰の問題は改善したのですが、歩き方がまだ変だということで調べたら、股関節の軟骨がほとんど無く、手術が必要なレベルとの診断。そこで思い出したのが上述の股関節の大先生。腰を治していただいた病院の先生方には大変申し訳なかったのですが、股関節の手術はその大先生にお願いしました。普段の冗談を言われる時の笑顔とは違って、手術の説明の際は真剣そのもの、名医とはこういう人なんだな、と感銘を受けたものです。当然ながら手術は大成功。退院後は嘘のようにトコトコ歩けるようになりました。
○人工股関節にした整形外科医のお話
 大変お世話になった整形外科の先生が片側を人工股関節にされた際の話を伺いました。専門は股関節ではないのですが、手術後は自主的なリハビリも行い、山歩きに近いハイキングまで実行して、整形外科仲間が開発してきた人工股関節を信頼しているかのようでした。ただし、上り下りでの荷重の具合の差や健康な側の股関節との感触の違いなども考察し、長持ちさせるために歩き方を変えたり、人工股関節のクッションにはまだ改善の余地があるとか、素人とは違うコメントに、さすが名誉教授と畏敬の念をいだいた次第です。
○股関節は球形だからといって・・・
 股関節の手術の話を聞いた中で一番驚いたのは、「回転骨切り術」という手術方法でした。他のコラム等でも解説があるように、股関節の大腿骨側はほぼ球形だそうですが、それを利用して付け根の部分にサイコロみたいな切れ込みをいれて、クルリと回して固定すると、荷重がかかって損傷した軟骨部分のかわりに正常な軟骨が荷重部分に入れ替わるという、股関節が球形だからこそ可能な手技で、目からウロコ以上の衝撃でした。治療成績も良いそうで、こんな手術を発想する整形外科の先生の頭脳って、まさに驚愕です。
大腿骨骨頭壊死症に対する大腿骨頭回転骨切り術 画像
大腿骨骨頭壊死症に対する大腿骨頭回転骨切り術
新・股関節がよくわかる本 59Pより抜粋


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